まずは、歯垢です。
歯垢は、英語でdental plaque(デンタルプラーク)なので、略してプラークとも呼ばれます。字のごとく歯の汚れ、垢です。歯垢は、粘着性が高いため、歯の表面に付着しています。色は白色や、黄白色をしています。鏡でじっくりお口を覗くとご自分でも確認できます。
歯の表面に付着している細菌のかたまりです。歯と同系色の白色または黄白色をしているので見えにくいのですが、楊枝などで歯と歯の間や、歯と歯肉の境目をなぞると塊になって取れてきます。プラークはネバネバと粘着性が強いため、歯の表面に付着し、細菌の住みかとなり、虫歯や歯周病の原因になります。歯垢1gあたりには、億の細菌が集まっているといわれています。細菌が歯の表面に排水溝や、キッチンの三角コーナーでイメージがしやすい膜状の構造を作るため、バイオフィルムとも呼ばれています。
次に歯石です。歯石は、歯の表面に蓄積した歯垢が唾液中のカルシウムやリンと反応することで石灰化した物質です。歯ブラシでは除去することができないため、歯科医院で超音波や、専用の手用器具で除去してもらうことが有効です。歯肉ポケットの上についた歯石を縁上歯石、歯周ポケットの中である歯の根面についた歯石を縁下歯石と呼びます。唾液腺の開口部に近いため、一般的に下の前歯の裏側や、上の奥歯の頬側は歯石がつきやすい部位です。
簡単に違いを分類すると、以下の通りです。
歯垢=柔らかい、歯ブラシで除去可能。
歯石=硬い、専用の器具で除去が必要。
共通点は、お口の清掃状態の向上により、付着を予防できること、虫歯や歯周病の原因となることです。
歯垢や歯石の効果的な除去には、定期健診やPMTC、スケーリングと呼ばれるプロフェッショナルケアの他、歯磨きによるセルフケアが大切です。3か月に1度、歯科医院を受診し、お口の衛生状態を維持する習慣を身につけましょう。